2024 秋の旅 ~長浜市 黒壁スクエア 10.5~
秋旅行の2日目は、滋賀県の長浜市を訪れました。以前の長浜は地方の一都市に過ぎませんでしたが、今では年間200万人が訪れる人気観光地になっています。
長浜は豊臣秀吉が開いた城下町が始まりです。秀吉の後は柴田勝豊、山内一豊らが城主となりましたが、豊臣氏が滅びると廃城となり、櫓や門は彦根城に転用され、長浜城は跡形も無く破壊されました。城下町でなくなった長浜ですが、浄土真宗大谷派の大通寺があり、その門前町として発展を続けました。また、北国街道や琵琶湖の水運の要衝でもあり、商業の町としても繁栄しています。
近代になると工業都市としての性格が加わります。長浜の郊外を通ると、田園地帯の中に結構大きな工場が散在していますね。平成に入ると周辺の町との合併を繰り返し、2010年には湖北地方のほぼ全域が長浜市となり、滋賀県で最も大きな市となっています。地図で見ると異様なまでの大きさですよ。人口は10万9千人程度、そのうち6万人程度が旧長浜市に集中しています。
長浜も他の多くの地方都市と同じく、1980年代に郊外に大型商業施設が相次いで開業し、旧市街地は急速に衰退してシャッター通り街となってしまいます。そのまま行けば空洞化した町が残るだけになっていた事でしょうね。ところが、長浜は違いました。衰退したとは言え、幸いな事に古い町並みは残っていました。空き家となった店も多かったのですが、これを逆手に取ってリノベーションを行い、若者受けする店舗を誘致し、伝統的な町並みと新しい店が融合した街として蘇ったのですね。
再生のきっかけとなったのが、1988年(昭和63年)に起こった黒壁銀行と呼ばれていた旧第百三十銀行の解体計画でした。長浜のシンボルとも言える黒壁の喪失に危機感を覚えた地元は第三セクターを立ち上げ、黒壁を買い取ってリノベーションを行いました。そして翌年にガラス工芸品を扱う黒壁ガラス館として開業、さらに周辺の店も次々にリノベーションして行き、最終的に30館をカラスショップ、美術館、工房、カフェ、レストランに改装しました。結果としてこれが成功して古い商店街が観光地へと変貌し、年々客脚が増加して行き、新快速が長浜まで延伸された事もあって、現在では県内一と言われる程の賑わいを見せています。
黒壁スクエアはガラス工芸がコンセプトの街なので、綺麗なでスプレイが見られて良かったです。ただ、正直言って混みすぎですね。エリアは狭い上にこの日はイベントが行われていて道の真ん中にワゴンが置かれ、すれ違うのも大変な状況でした。せっかくの町並みも楽しむ余裕が無かったです。出来れば平日に行った方が良いかな。
京都からなら新快速に乗れば1時間と少し。運賃は1340円とちょっと掛かりますが、日帰りで行けるのが良いですね。ガラスだけでなく色々なお店があるので、ウィンドウショッピングだけでも楽しい街ですよ。
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