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2024年9月 9日 (月)

京都・洛中 洛中散策2024 ~善導寺 9.4~

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一之舟入から少し北に上がると二条通に出ます。その二条通に面して、ビルに挟まれた竜宮門が建っています。ここにあるのは以前から知っていましたが、これまで入ったことはありませんでした。

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寺名は善導寺、山号は柊南山と言います。院号は真光明院で、浄土宗知恩院派に属する寺院です。門前にある説明板に依ると永禄年間(1558年から1569年)に久留米の善導寺の僧、然誉清善和尚によって六角堂付近に創建されました。寺名は出身の寺のものをそのまま持ってきたのですね。しかし、天明八年(1788年)に天明の大火に遭い全焼、第四世旭誉和尚が長谷川重兵衛の寄進によってこの地に移転しました。

 

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ご本尊は阿弥陀如来ですが、非公開の寺のため本堂の扉は閉じられています。一見するとごく普通のお堂ですが、Goolemapの航空写真で見るとこの右手に一回り大きな書院があり、その背後に広い庭がありますね。外から見るより意外と奥深い寺の様です。

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本堂の左手には自然石を半肉彫りにした釈迦三尊像があります。これも説明板に依ると清凉寺式の釈迦如来で、脇侍は弥勒菩薩と五髪の文殊菩薩だそうです。かなり簡略化されていますが、衣紋の流水紋を見ると確かに清凉寺のものを模していますね。正面からは見えませんが、公安元年(1278年)の銘があるそうで、由来は判りませんが別の寺にあったものが持ち込まれたのでしょうか。調べてみてちょっと驚いたのですが、重要美術品に指定されているのですね。そんな大切な文化財を雨晒しにしておいて良いのかしらん。

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境内にはもう一体石仏があります。こちらも半肉彫りの仏様ですが、調べた限りでは正体は判りませんでした。私見ですが、黒谷のアフロの阿弥陀様に似ていますね。螺髪の形からそう思えるのですが、見当違いならごめんなさい。

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こちらは善導寺型灯籠。火袋に水差し、風呂釜、火箸に茶箒、炭入れなどの模様が描かれています。かなり摩滅していますが、良く見るとうっすらと見えますね。灯籠としては有名なものだそうで、写しが幾つも造られているのだとか。そういう場合、オリジナルの灯籠は本歌と言うそうですね。善導寺にはもう一基灯籠があり、鎌倉時代の石幢を灯籠に改めたもので、白大理石製だそうです。書院の庭にあるとの事で見る事は出来ませんが、画像検索をすると出てきました。本来は六角形の火袋のところに地蔵菩薩が彫られていたのだとか。これもまた重要美術品なのだそうです。

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もう一つこの寺で面白いのは寺の中に「ソワンエステ ティラ」というエステサロンがある事で、境内に入って左側に入り口があります。なぜここにと思うのですが、経緯は判りません。完全予約制で一日一人という事ですから、飛び込みでは利用出来ないですね。もっとも看板は入り口にあるだけなので、あらかじめ知っている人以外は来ないでしょう。

何気ない寺だと思っていたのですが、調べてみると色々と面白い寺でした。綺麗に整えられた前庭と石仏や灯籠だけでも立ち寄る価値はありますが、書院や庭も見てみたいので、いつか特別公開をして欲しいですね。

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