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2024年9月23日 (月)

京都・洛南 宇治逍遙2024 ~宇治公園 9.10~

能登地方で豪雨災害がありました。1月の震災が復興の緒についたところでの水害、あまりの事に掛ける言葉もありませんが、なんとか挫けずに前に進んでいただきたいです。能登の方々には心よりお見舞い申し上げます。

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宇治神社から中の島にかけての一帯は公園として整備されています。正確には宇治神社の前の道はあさぎり緑地という宇治市が管理する公園、朝霧橋から中の島、橘橋にかけては京都府が宇治公園として管理しています。宇治川を挟んで平等院から宇治上神社、興聖寺とぐるっと回る事が出来、春は桜、夏は鵜飼い、秋は紅葉と一年中楽しむ事が出来る界隈ですね。

源氏物語ゆかりの地でもあり、宇治十帖の古蹟を求めて訪れる人も多いです。これは朝霧緑地に置かれた匂宮と夕霧の像。二人が小舟に乗って橘の小島に渡る場面ですね。朝霧橋の赤い欄干とあいまって、風情のある光景です。

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これは宇治発電所の放流口に架かる観流橋。本来無機質な発電所に赤い橋を架けて名所の一つにしてしまうというのは、なかなか素敵な発想ですね。この橋の手前に恵心院、向こう側に興聖寺があります。

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中の島は塔の島と橘島からなり、中島橋で繋がっています。塔の島は橋寺で紹介したように、宇治橋を再建した叡尊によって弘安九年(1286年)に築かれた人工島で、殺生禁断の思想に基づき網代や漁具を埋めた上に十三重石塔が建てられ、魚霊の供養と橋の安全が祈願されています。石塔は宇治川の氾濫により何度も倒れましたが、塔の島は浸食されつつも消えずに残りました。激流で知られた宇治川にあって、奇跡的とも思えますね。石塔は現存する近世以前のものとしては最大で、重要文化財に指定されています。

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朝霧橋は橘島と宇治神社を繋ぐ橋で、昭和47年(1972年)に架けられました。赤い欄干が美しい、風情のある橋ですね。橘橋を通じて平等院に繋がっており、宇治観光には欠かせない橋となっています。

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宇治川は平安京を守る南部の要衝です。都を守る者と攻める者の間で、幾度となく戦いが繰り広げられてきました。平家打倒の兵を挙げた以仁王と源義政が平家軍と戦った橋合戦、木曽義仲と源義経が争った宇治川の戦い、承久の乱で朝廷軍と争った北条泰時など歴史の節目となった戦がここで起こっています。橘島には源氏同士が争った宇治川の戦いで、佐々木髙綱と梶原景季が先陣を争った事を記す記念碑があります。いずれの戦いも宇治橋を中心に繰り広げられており、歴史好きには外せない場所ですね。

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宇治橋の西詰に夢の浮橋広場があります。公衆トイレも備えた小さな公園で、ここには宇治十帖の最後の帖「夢の浮橋」の古蹟の碑があります。正直言ってなぜここが古蹟になるのか判らないのですが、宇治橋を実在しない浮橋になぞらえたのでしょうか。その背後には紫式部の像があります。宇治橋を背景にして、とても絵になる像ですね。

宇治公園は平等院のある左岸と宇治上神社などがある右岸を結ぶ素敵な公園です。平等院こそ賑やかですが、ほかはとても静かなところばかり。川の瀬音を聞きながら名所旧跡を巡ると、あっという間に一日が過ぎていきますよ。

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