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2024年8月27日 (火)

京都・洛北 一乗寺から修学院周遊 2024 ~赤山禅院 8.15~

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修学院離宮の前を通り過ぎて赤山禅院に来ました。ここに来るのは2年前の秋以来、紅葉を見に来る事が多いですが青紅葉の参道も素敵な寺です。

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お寺と書きましたが、参道の入り口には鳥居が建っています。そう、ここは今でも神仏混淆の伝統を守っているのですね。ご本尊は赤山大明神、中国の神泰山夫君を勧請して祀っています。どうやって神仏分離令をくぐり抜けたのかは判りませんが、神様を祀っているので分離するものが無かったという事なのかな。

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赤山禪院は都の鬼門を守護する寺。その象徴として拝殿の屋根には鬼門除けの猿が置かれています。猿は申に通じ、鬼門とは反対の西南西を指す事から邪気を払う力があると赤山禪院のホームページには記されていますね。金網で囲われているのは、かつて夜になると暴れたので封じ込めたのだとか。新日吉神宮や幸神社、猿が辻の猿も金網で封じられており、猿というのは暴れるものと相場が決まっている様ですね。

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赤山禪院は千日回峰行と深い関わりがあり、修行が六年目に入ると山中を廻る行程に加えて、雲母坂を通りこの寺に参って花を供する行程が加わるそうです。一日に歩く距離が60キロ、時間にして14~15時間掛かるそうで、それを100日繰り返すのだとか。雲母坂を往復すると考えただけでもぞっとするのに、これは想像を絶していますね。これを称して赤山苦行と呼ぶのだそうです。千日回峰行については赤山禅院のホームページに詳しく記されていますが、すさまじい内容の修行です。これを満行出来る人が居るのだからまた凄い。大阿闍梨と呼ばれ、この寺の住職を務められますが、一度だけ護摩行をされているときにお会いしたことがあります。さぞ怖い人かと思っていましたが、ごく穏やかな優しそうな方で、それでいて内に秘めた迫力は並みではないと感じました。本物とはこういう人の事を言うのかと思った次第です。

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鳥居と共に神仏混淆を示しているのが本殿の狛犬です。初めて来た時、ここはお寺だよねと戸惑ったのを覚えています。鮮やかな色彩の狛犬ですが、下鴨神社の本殿にも同じような狛犬があります。こういう形式を選ぶのには、何か共通項があるものなのかしらん。

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赤山禪院は都七福神のひとつ、福禄寿の寺です。参道にずらりと幟が並んでいますね。福禄寿は泰山夫君を人格化した神様だそうで、商売繁盛・延寿・健康・除災の御利益があるとの事。また集金の神様として五・十払い発祥の地でもあるとか。厳しい修行の場であると共に、現世利益を授けて下さるお寺でもあるのですね。

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境内には立派な地蔵堂もあります。泰山夫君は地蔵菩薩の化身でもあるとか。千年の間に様々な信仰が重なり、一筋縄では行かない寺になっているのですね。これも神仏混淆のなせる業でしょうか。

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赤山禪院は紅葉の名所ですが、訪れる人はそれほど多くは無いです。ただ11月23日には数珠供養が行われ、大勢の参拝者が訪れます。この日は普段とは雰囲気が一変しますね。また、私は来た事が無いのですが、仲秋の名月の日にへちま加持が行われます。ぜんそくや気管支炎を封じ込める秘法だそうで、お悩みの方は一度受けられては如何ですか。

普段は静かだけど、実は様々な顔を持った不思議な寺。知れば知るほど奥深さが判ってきます。夏の洛北周遊はここでゴール、次はまた秋にやって来たいと思っています。

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