京都・洛中 和泉式部ゆかりの寺 ~誠心院~
大河ドラマ「光る君へ」には紫式部を始めとして、清少納言、赤染衛門、藤原道綱母(ドラマでは寧子)など錚々たる女流文化人が登場しています。そんな中でまだ出てきていないのが和泉式部。平安時代を代表する女流歌人で、紫式部と共に彰子のサロンを支えた一人であり、当然出て来てしかるべき人物だと思うのですが、まだキャストは発表されていません。ドラマの中盤以降、彰子が入内した後になるのかな。
和泉式部は天才的な歌人であると共に、多くの男性と浮名を流した事でも知られます。紫式部にも歌は上手だが、男癖が悪いと皮肉られていますね。そんな彼女が最後に結婚したのが、道長の家人であった藤原保昌。祗園祭の保昌山のご神体としても知られる人物です。
保昌と一緒になった後は、夫の任国であった丹後国へ下ります。その後の事は詳しくは判っていませんが、娘を早くに亡くし、悲しみのあまり自らも往生を願うようになったと言われます。そして播磨国の書写山園教寺を訪ね、性空上人に女人往生の術を授けられ、京都に戻って誓願寺で出家したと伝わります。
出家した和泉式部に手を差し伸べたのが彰子で、父の道長に進言し一寺を建てて貰いました。それが誠心院で、和泉式部が初代住職となったと寺伝にあります。誠心院は時代と共に寺域を転々としますが、天正年間に豊臣秀吉の命により現在地、新京極六角下がるに移転しました。その後も幕末、明治と火災に遭いますが、大正8年に現在の本堂が再建されています。また印象的な山門が建てられたのは平成9年と、わりと最近の事ですね。
新京極という繁華街の中にありながらも訪れる人は少なく、一歩山門を入ると別世界の様に静かです。境内には和泉式部の墓とも供養塔ともされる宝篋印塔があり、在りし日の姿を偲ぶ事が出来ます。新京極に行かれる事があれば一度立ち寄られては如何ですか。冒頭の写真にある山門が目を惹きますので、場所はすぐに判りますよ。
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