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2020年3月15日 (日)

麒麟がくる 第九回「信長の失敗」

信長の下に嫁いだ帰蝶。

松平家を巻き込んで織田との戦を急ぐ今川。

 

遠江と三河の国境。

帰国を急ぐ広忠の一行。

突如何者かに襲われた一行。

何者かに首をとられた広忠。

 

宏忠が殺された現場に現れ、脇差しを持っていった菊丸。

その先は水野信元の屋敷でした。

誰が広忠を殺したと信元。

おそらくは織田方かとと菊丸。

ならば今川は黙っておらぬ、戦になるぞと信元。

松平の当主となるべきは竹千代、今は織田方が握っていると菊丸。

戦になれば菊丸の命が危ない、我らが命に代えてもお守りしたしますと菊丸。

頼んだぞ、そなただけが頼りじゃと於大。

 

尾張、那古屋城。

祝言をすっぽかされた帰蝶。

朝帰りをして来た信長。

この帰蝶との祝言をすっぽかすとはよほどの大事がございましたのでしょうなと帰蝶。

夕べは化け物をさがしておった、城下で池に化け物が居ると大騒ぎになっておったのじゃと信長。

村の者とおなじになって騒いでやらねば、化け物は見えぬと信長。

信長様は化け物が見えましたかと帰蝶。

いや見ておらぬ、しかし、わしが池に入ってやれば皆が安心する、

そうすれば皆が商売に戻り、田を耕す、それが大事じゃ、そうは思わぬかと信長。

しかし、そちには悪いことほした、わびの印に何でもくれてやる、さあ何でも申せと信長。

おなかが空きましたと帰蝶。

わしもだ、しかし、末盛城の父上がご馳走を作って待っておろう、

今はこれでしのぐがよいと懐から何やら取り出した信長。

それは干しだこでした。噛めば旨いと信長。

固くて塩味がすると帰蝶。

それが尾張の海の味じゃと信長。

さればゆっくりと味わいとうございますと帰蝶。

 

末盛城。

信長たちを待っていた信秀と土田御前。

利政からの引き出物と松の盆栽を披露する信長。

この松葉の様に変わらぬ心で織田家に尽くす所存と帰蝶。

この三郎からも目出度き引き出物がございますと信長。

差し出されたものは首桶、中には広忠の首が入っていました。

それを見て顔色の変わった信秀。

皆の者を下がらせ、信長と二人になった信秀。

このうつけがと信長を打つ信秀。

解せませぬ、広忠は義元とともに尾張に攻め込む所存であった、

我らはその先手を取った、三河の次期領主は我らが手にある、

なにゆえお叱りになると信長。

物事には時期というものがある、明日にでも今川は竹千代を奪い返しに来る、

今戦って勝てると思うかと信秀。

美濃と同盟を結んだ、美濃から援軍を呼べば勝ち目はありますると信長。

斉藤利政は蝮じゃ、こちらが弱みを見せればたちまちこの喉元にくらいつくぞと信秀。

わしがこんな体でなければ、今戦えば我らは勝てぬと信秀。

この首、持って行けと信秀。

わしは父上に褒めてもらえると思うてと信長。

愚か者と信秀。

 

信勝の部屋の前。

帰蝶どのはあの箱の中をごらんになられたかと土田御前。

いえと帰蝶。

この世には見てはならぬものがあるのですと土田御前。

 

信勝の部屋。

将棋を指している二人の子供。

大きな子が次男の信勝、私によく似てるでしょうと土田御前。

小さな子は竹千代、三河松平家の御嫡男ですと戸田御前。

負けましたと竹千代。手応えがなさ過ぎると信勝。

そなたの腕が立ちすぎるのじゃ、次からは駒を落としてさしあげなされと土田御前。

情けは無用にございますと竹千代。

人質の身で愛想のない子じゃと土田御前。

 

廊下。

帰蝶を見て、そなたはだれじゃと竹千代。

帰蝶と申します、昨日信長様のところに嫁いで来ましたと帰蝶。

手水に入っている金魚を見て、この魚はかわいそうじゃ、

遠い国に来てこんな狭いところに入れられている、わしとおなじじゃのうと竹千代。

同じ?と帰蝶。

遠い他国に連れてこられ、時々この城に呼ばれてつまらぬ将棋の相手をしていると竹千代。

つまらぬ将棋?と帰蝶。

わざと負けておるのじゃ、せめて信長様がおられればと竹千代。

信長様?と帰蝶。

信長様は将棋が強い、信長様と指す将棋は面白いと竹千代。

そこに現れた信長。

信長様と慕う竹千代。

どけっ、と邪険に突き飛ばす信長。

帰蝶、帰るぞと信長。

悲しげな竹千代。

 

那古屋城。

鉄砲を撃つ信長。見事な腕前。

鉄砲は音が良い、この音を聞くと気持ちがすっとなると信長。

そなたもためしてみるかと信長。

よろしいのですかと帰蝶。

帰蝶に鉄砲の手ほどきをする信長。

的をかすった弾。

面白うございます、まるで雷に打たれたような、

かように面白きものならば美濃に居るときもっとたしなんでおきましたものをと帰蝶。

父上も鉄砲をたしなんでおられたのかと信長。

父上ではなく、従兄弟の明智十兵衛という者がと帰蝶。

鉄砲に興味を持ったと思ったら、京に参る、堺に参ると父上を困らせるほどでしたと帰蝶。

そなたの父上を困らせるとは、面白き男よのと信長。

まことに面白き男なのです、何かに夢中になるとこの世から怖いものがなくなるので困るそうですと帰蝶。

ふうん、と信長。

今日、父上と何事かと帰蝶。

いや、毎度の事じゃと信長。

信長様はお父上がお嫌いですかと帰蝶。

いや、と信長。

帰蝶は親父殿が好きかと信長。

はい、時々大っ嫌いになる時以外はと帰蝶。

ふん、わしとおなじじゃ、時々大っ嫌いになると信長。

 

美濃。

光安に言われて妻木城に米を運ぶ光秀。

 

妻木の館。

廊下を行く光秀。どこからともなく聞こえてくる子供たちの声。

足下にちらばる花びら。

その花の先の部屋に入った光秀。

その光秀に戸を閉めてください、可愛い小鬼が三匹私を探しているのですと煕子。

かくれんぼにございますと言われ、やっと合点の行った光秀。

しかし、入り口に花びらが落ちていましたよ、その花びらをどうするのですと光秀。

私を見つけたら花吹雪を浴びせてやるのですと煕子。

覚えがあります、私もここで鬼となりくれんぼを、隠れていたおなごを、

そうか、あれはそなたか、煕子殿じゃと光秀。

はい、またお会いできてうれしゅうございます。

 

屋敷の中。

里も屋敷も昔のままでうれしゅうこざいますと煕子。

この庭も懐かしいと光秀。

城下の祭りは覚えておいでですかと煕子。

お父上と最初においでになったのは祭りの日でしたと煕子。

ああ、と光秀。

あの日、虹がかかりました、風に乗った笛の音がかすかに屋敷にきこえました、

こうしてこの廊下を歩きながら光秀様はこうおっしゃりました、

おおきくなたら私のお嫁におなりとと煕子。

そんなことをと光秀。

子供の頃の話でございますと煕子。

そこに現れた小鬼たち。

見つかってしまったと、花吹雪を小鬼たちにあびせながら逃げる煕子。

 

光安の館。

妻木殿にはもろも伝えてあるのですねと牧。

妻木殿にきこちらの思惑をすべて伝えてありますと光安。

どのように伝えてあるのですかと牧。

十兵衛も年頃、妻木殿の女御の煕子殿もそういう年頃、

よろしくおとりはからい願えれば幸いですと光安。

それだけでは雲を掴むような話ではありませぬかと牧。

妻木殿に米を運べと言われて行ったら麗しき煕子殿がおられる、

あとは妻木殿がよろしく取り計らってくれますと光安。

どうとりはからってくださるのですかと牧。

十兵衛がその気になってくれればよいのですが、

わしも早く十兵衛に身を固めてもらいたい、

兄上が亡くなられた時に約束したのじゃ、

十兵衛が身を固めたとき、この明智城をお返しすると、

そして兄上がそうであったように十兵衛にもりっぱな城主となってもらうと光安。

明智家が今日まで長らえたのは、ひとえに光安殿のおかげですと牧。

そこに帰ってきた光秀。

妻木殿とはお話なされましたかと牧。

酒を飲め、酒を飲めと勧められ、庭の話や山の話などをと光秀。

立派な娘御はおられませんでしたかと牧。

ああ、しかし、何しろ庭の話や山の話で、では今日はこれで館に帰りますと光秀。

後にのこりぼんやりする光安と牧。

廊下で花びらを見つめる光秀。

 

京。

辻で茶を売り歩く商人。

そこに聞こえてくる東庵の叫び声。

何をしているのですかと商人。

ネズミが増えて穴を開けて困る、それをふさごうとおうのじゃと東庵。

うちもですと商人。

戦の度に家が焼け、空き家が増える、空き家には何もないからネズミが引っ越してくる、

ネズミもわしらもうとましいのは戦だと東庵。

人が減ってわしらの商いもあがったりですよと商人。

では一服もらおうと東庵。

 

東庵の家。

針治療を間違えた駒。

先生を呼んでくれと患者。

 

先生、私だめみたいですと出て行く駒。

 

あてどなく歩く駒に聞こえてきた、伊呂波太夫参られよという呼び声。

 

「今回は松平広忠の死に始まり、光秀と煕子の出会いで終わりました。信長は良かれと思って広忠を討ちましたが、時期が早すぎると信秀の叱責を受けました。まだまだ読みの浅い信長ですが、その行動力と立ち直りの早さは大したものです。史実では広忠は家臣に討たれた説、病死したとする説など様々ありますが、信長が暗殺したという説は無い様ですね。ただ彼が24歳という若さで亡くなったのは事実で、その結果、まだ幼い竹千代が次期当主となったのでした。」

「信長に大事な祝言をすっぽかされた帰蝶ですが、彼女もまた強く、信長の長所に気づいた様です。このあたりは利政の見込んだとおりでしょうか。ただ、信長は帰蝶の従兄弟への好意が面白くなさそうですが。」

「妻木氏は土岐氏の支族の一つで、明智家よりもむしろ勢力があった様です。前半生がほとんど謎の光秀ですが、煕子が妻木氏の出だった事は確かな様です。戦国一の愛妻家と言われる光秀ですが、これからの展開が楽しみですね。」

「それにしても菊丸とは何者なのでしょう。信元の下で働く乱波なのかしらん。ともかくも、竹千代を陰から守る組織の長らしい事はわかってきましたね。これから先はどういう役割を果たしていくのでしょうか。」

「一方、心ここにあらずといった様子の駒は伊呂波太夫と再会する様です。こちらもどういう展開になるのか目が離せませんね。」

「次回は義元が竹千代を奪い返しに、尾張に攻め込んでくる様です。信秀の恐れていたとおりになるのですが、どういう展開になるのでしょうか。次も面白い回になりそうですね。」

 

参考文献
「明智光秀・秀満」「明智光秀と本能寺の変」小和田哲男、「図説明智光秀」森祐之、「ここまでわかった 明智光秀の謎」歴史読本、「明智光秀」早島大祐、「本能寺の変」藤田達生、「信長研究の最前線1、2」日本史資料研究会

 

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