京都・洛西 そうだ京都行こう 早春編・石庭 ~正伝寺~
正伝寺は西加茂の地にある臨済宗南禅寺派の禅寺です。少し小高い丘の上にあり、山門からは少し山道を歩く事になります。創建は1273年の事で、はじめは烏丸今出川の地にあり、後に現在の場所に移りました。
1323年には後醍醐天皇より勅願寺の綸旨を賜り、堂塔伽藍を構えた一大寺として栄えました。しかし、応仁の乱によって全てが灰塵と帰し、すっかり荒廃してしまいます。ようやく復興がなったのは江戸時代に入ってからの事で、徳川家康の援助により金地院の小方丈を移して本堂としました。
その際、天井に伏見城が関ヶ原の前哨戦で落城した際に380余人が切腹した廊下の板を使用し、亡くなった将兵の供養としました。このため、京都に七つある血天井の寺の一つとして知られる様になります。
庭園は石庭ではなく、サツキの刈り込みで七五三の庭を形成しています。別名獅子の子渡しの庭とも呼ばれますね。この庭はなんと言っても遠く比叡山を借景にしているのが特徴で、それほど広くない庭に深い奥行きを与えています。庭園は低い白い塀で囲われており、白砂とさつきの緑とあいまってとても美しいですよ。特にサツキが咲く頃には赤い花が白い砂と塀に映えて見事な景色を見せてくれます。
桜の時分には行った事がないのですが、桜もなかなか見事な様ですね。冬は冬で、澄み切った空に比叡山がくっきり見え、借景とはこういう事かと教えてくれます。
正伝寺は訪れる人も少なく、穴場の一つですよ。ただ、周囲をゴルフ場に囲まれており、参道を歩いているとゴルフのカートが横切る事があるのは愛嬌だと思ってください。
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コメント
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随分と前になりますが私が行った時もカートが横切ったのを思い出しました(*^_^*)
投稿: Milk | 2020年2月23日 (日) 17時40分
Milkさん、
あの参道でカートに出くわすとちょっと驚きますね。
でも、地図で見るとお寺の周りは全てゴルフコースで、
ゴルファーにしてみれば急に景色が変わってびっくりするのでしょう。
むかし乱暴な開発をした付けみたいなものですかね。
お寺の周りは静かな環境なのが良いな。
投稿: なおくん | 2020年2月23日 (日) 21時00分